三間飛車について
こんにちは。ちょろりです。
新しい棋書を買いました。
まだ本編を読んでいませんが、コラムが泣けました。良かったです。
この三間飛車という戦法は、とても不思議な戦法です。
アマチュアだけでなく、プロ棋士でも三間飛車だけを指すと公言する方がいるほどです。
勝負に徹するはずのプロ棋士すらも魅了する、そんな小悪魔的な戦法です。
そう言えば、先崎学先生も「三間飛車で捌けたときのあの快感は、他のゲームにないものがある」とおっしゃられておりましたね。
それだけ魅力がある戦法ですが、ふと気になったことがあります。
そもそもなぜ「三間」飛車と呼ぶのでしょうか。
先手側から見れば、「七間」飛車なのでは?
なぜにわざわざ後手側の目線で呼称したのでしょうか。
ここからは私の勝手な想像です。
これは、おそらく江戸時代の名残なんだと思います。
当時の棋士の対局は段位に応じて駒落ち対局が定められていました。
この定めはとても厳格でして、対局者が勝手に平手を指すことはまかりなりませんでした。
段位が上位にある者は「上手」として、駒を落とす。
その代わり先手を持ちます。
駒落ちの中で最もハンデが少なく平手に近いとされるのが左香落ちです。
この場合、上手側は三間飛車を採用することが定跡とされていて、その棋譜が現在もたくさん残ってます。(例:大橋柳雪VS天野宗歩戦など)
また、平手戦では相掛かりなど相居飛車が多く、平手で振り飛車を採用することは江戸中期までそれほど多くはなかったようです。
(大橋柳雪が御城将棋で初めて振り飛車を採用し、当時話題に昇ったそうです)
そんな振り飛車が多く登場する駒落ち戦の盤面は、上手が上側に常に描かれます。
要するに、上手から見ての「三間」飛車だった。
そういうことだと思います。
ちょろり